兄の悲劇

今回は太田・N兄妹の事件簿をお話します。
このN兄妹の兄は先頃行われた大会で見事優勝!
全日本大会にも出場している強い兄ちゃんです。
妹のKちゃんも幼稚園生ながらお兄ちゃんに追いつき・
追い越せで毎回一生懸命稽古しています。
妹思いの兄思い。そんな素晴らしい兄妹です。

ある日、いつものように館林に稽古に来た二人。
基本・移動と終わり、その後上級帯・下級帯に分かれ稽古して
いました。双方指定したメニューを終えようとした時、
ちょっとしたハプニングが起きました。H君が足をひねっった
ようでその痛みから泣いてしまったのです。
大泣きするH。床には大粒の涙が。その時、同じ幼稚園生として
見かねたKちゃんがすぐに自分のバッグから赤いタオルを
取り出し、Hの顔と床に流れた大量の涙を拭いてやったのです。
優しいKちゃんの行動にHも感謝の言葉を言いながら、
その顔には笑顔が戻っていました。
一部始終を見ていた上級帯・そして心配そうにずっとKちゃんを
見ていた兄。みんなからKちゃんに自然に拍手が起こりました。
そんな時、丁度終了時間になったので正座し、礼をして
その日の稽古を終えた瞬間の事でした。兄が突然猛スピードで
一目散に走り出し、自分のバッグを見、
『あ~っやっぱり~っ!!』
と叫んだのです。どうした?と聞くと

『あいつ、おれのトレーナーで拭きやがった!』

これには一同大爆笑。大笑いしているみんなを横に兄は続け、
『あいつ、赤いタオルなんか持ってなかったのに赤いのが
出てきたからおかしいとは思ってたんだ』
そう、彼が心配そうに見ていたのはkちゃんではなく、あれは
自分の服ではなかろうか? と、それを心配していたと言うのです。
まくし立てて喋っている兄の横には、『しめしめっ』といった顔の
kちゃんが兄を凝視していました。

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