K・Sの根性
今回は先日行った大会の舞台裏で起きていた話を
紹介したいと思います。
今回の主役は渋川K・S君、小4。
このK・S君は親子で道場に通っています。
S君は設立当初からの道場生でその親・Kさんも行事が
ある度に何かとご協力して頂いており、またご自身もS君と
一緒に稽古し少年部からは『K星人』と呼ばれています。
さて、そのSですが普段から頑張って稽古しているので
個人戦・団体戦に出場してくれるよう私の方から要請しました。
普段無口なSは小さい声で『押忍』と言い、どこかに行って
しまいました。
とりあえずSの出場は決まった、と喜んでいた私でしたが・・・。
大会二日前、Kさんから連絡をもらいました。どうもSが手首を怪我
したらしいと。ただ本人は痛いとは言ってるが大騒ぎしてる訳でも
ないので湿布でもしてこのまま出場させる、との事でした。とりあえず
KさんにSに無理をしないよう伝えてもらい、当日駄目そうなら棄権
してくれと話しておきました。
そして試合当日・・。
Sは出場しました。勝利を目指し、一生懸命戦っています。
しかし・・・、どう考えても動きがおかしい。私の目にも、そして
観覧されていた方もそう感じた事と思います。
左手が全く動いていない。これはマズいと思い、試合後Sに
言いました。『お前、大丈夫か?』、S『押忍。』
押忍ってお前、手が震えてるじゃないか?
この後の団体戦は棄権した方がいい、とKさんに伝え
KさんはSと話してくる、と二人で席を外しました。
二人はしばらくして戻ってきました。
団体戦には出場するとの事でした。
私は何も言えませんでした。今から考えればここで
止めるべきだったと後悔しています。
試合をしているSの左手は下がったまま。そのまま彼は
一切泣き言を言わず、勇猛果敢にその後3試合戦い抜きました。
Kさんからその日の晩に連絡がきました。
Sの手首は骨折していたとの事でした。骨折・・・。
私も過去大会に出場した時、試合中骨折しながら戦った事も
ありますがよく小学生が我慢していたもんだと、とにかく
驚きました。Kさんがお医者さん曰く、骨折は大会中のものでは
なく、二日前に手をついた時によるもので、そうでないとこういう
折れ方にはならない、と伝えてくれました。Kさんも『あの子は
普段一切泣き言言わないから分からなかった。ただ今回は
痛いとは言っていたけどまさか骨折してるとは思わなかった。
言われてびっくりした』と言い、続けて『だってあの子痛いとか
言いながら左手使ってゲームしてたし』とも言っていました。
私は最後に何故団体戦棄権しなかったのか、聞きました。
Kさんは『あの子が出場しないと丁度そこに代わりがいないから
不戦敗になってしまい、頑張っている他の子に申し訳ないから』
との返答でした。
後日、私はSに聞きました。お前よく棄権しなかったな、と。
Sははっきりと私に言いました。
『だって棄権すると母さんが怖いから』