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- 2007/06/21
- カラテ指導顛末記 vol.1 井原降臨
空手道誠真会の目指す空手
誠真会YouTubeチャンネル 「誠真会 Seishinkai Karate」
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誠真会の目指す空手は、人生にとって、また日々の生活にとって意味のある空手です。
少年部:礼節 (礼儀は周りとの関係を良くする潤滑油。謙虚さと感謝の気持ちを身に付ける。)
忍耐力(夢や目標を達成するために必要な精神力。継続する力の養成)
観察力(稽古は真似ることから。自分に足りないものは、周りが気付かせてくれます)
一般部:関係性の構築(手足の連動性を稽古で身に付けましょう)
中庸の心(鍛錬により、常に精神の安定を目指しましょう)
哲学の身体化(培ってきた思考を動作に反映させられるよう鍛錬しましょう)
空手の鍛錬により自分を知り、思考のバランスを整え、心身の調和をはかり、
気力体力が充実し、人生を心豊かに過ごせるような空手道を誠真会は目指します。
安心で安全なコースとクラス分け
空手道誠真会では、以下の会員コースを用意しております。ご希望の会員コースを選択してください。
また、途中からのコース変更も可能ですので、気軽にお申し付けください。
◆新オンライン会員・・・・配信で稽古をするコースです。
◆ 一般会員・・・・道場またはオンラインで稽古をするコースです
幼年部:4歳〜6歳(未就学の男女)
少年部:7歳〜14歳(小中学生の男女)
一般部:15歳以上(高校生以上)
壮年部:35歳以上
女子部:18歳以上の女性の方
詳しくは、入会案内をご覧ください。
空手道誠真会 館長
館長 佐藤康貴
◆1975年生まれ
◆15歳で、極真会館群馬支部に入門
◆18歳で上京後、東京城南支部で稽古に励む
◆第一回群馬県交流試合 優勝
◆群馬県型競技大会 優勝
◆第16回、第17回、第18回全日本ウェイト制選手権大会出場
◆第33回全日本選手権大会出場
◆第3回全日本型競技選手権大会 4位
◆元・極真会館 弐段
◆趣味 神社巡り
◆好きな映画 ゴッドファーザー
カラテ指導顛末記 vol.1 井原降臨
過去から現在に至る過程の中で、選りすぐりの風変わりな
エピソードの数々をお話致します。
私が25〜26才の時、
その当時、指導していた道場での話。
この道場は土地柄か、外国人の道場生も多く、
性格的にも色々なタイプの方々が稽古していた道場でした。
その道場で指導を始めて半年が過ぎた頃、
私の空手指導の中で、ある意味最も心に残る、一人の人間が
入門してきました。
その男の名前は井原(仮名)。
当時17才。高校生でした。
初めて井原が道場に来た時、私は
これまた随分とバカボンに出てくるおまわりさんに
似ているなぁと、感じたことを今でも鮮明に思い出します。
100%入門したいとの事なので、入門誓約書等に
記入をお願いしました。
井原は学校名記入欄に見たこともない
漢字を書きました。
私は読み方がどうしても分からないので井原に聞きました。
「これ、何て読むのかな?」
『むさし』
「あぁ〜、武蔵ね。分かりました」
武蔵の蔵の臣の部分が 匚 になっていたので
聞いてしまったのです。
そして、井原は続けてこう言ってきました。
『ここの空手は俺のパンチ&キックを本気で当てていいんですよね?』
「パンチ・・何?」
『パンチ&キック!』
「あっ、あぁ〜、いいよ。思いっきりやっていいからね」
パンチ&キックなんて言ってくると思わないから
思わず聞きなおしてしまったのです。
井原は手の平にグーをバシバシ当てながら
『よ〜し!』
と言いました。
これが道場に井原の嵐が吹き始めた瞬間でした。
井原は正式に入会しました。
最初は私がマンツーマンで基本を指導しました。
井原の正面に立ち、まず正拳中段突きを教えました。
「正拳中段突きは相手のミゾを狙います」
『デシっ!(押忍)』
彼の押忍という返事は、デシっ!としか聞こえないのでした。
志村のキャラクターじゃないんだから・・・。
「では、自分のミゾの高さを打ってみましょう。号令掛けますから
私に合わせて動いてみて下さい。打つ時は気合を入れます。
じゃあいきますよ。イチっ!」
『デシっ!』
と言って、彼は私の顔めがけて打ってきました。
「井原君、違うよ。俺の顔めがけてじゃなくてミゾの高さを狙うんだよ。
間違えないようにね。じゃあ、もう一回いくよ。気合入れてー!イチっ!」
『デシっ!』
彼は私の顔をまたもや狙ってきました。
「井原君、また間違えちゃったね。顔じゃないって。ミゾを狙うんだ。
顔は次の上段突きでやるから。」
『デシっ。早く顔のにいきましょう。顔狙いたいっス。』
「井原君、物には順序があるんだ。やりたい事ばっかり出来るわけでも
ないんだよ。分かってくれるよね?」
『早く顔狙いたいっス!』
「・・井原。顔は次だから。顔顔うるさいんだよ。すぐ中段終わらせて
やるから。我慢してやれっ!!」
『デシっ!』
井原は変わっていた。
それに何故こいつは顔ばかり狙いたがるのだ?
私は警戒心を高めつつ指導を続けた。
「では、君のやりたがっていた顔への攻撃、上段突きの打ち方をやります」
『デシっ!!!』
「・・・。上段突きは相手の顔の真ん中を狙います。」
井原『具体的には?』
「クッ。・・・具体的には眉間・人中です」
『デシっ!!!』
「・・・。では自分の眉間・人中の高さを狙って打ってみましょう。
いきます!イチッ!」
『デシっ!』
井原は私の眉間を狙ってきた。
「井原。違うよ。俺の顔じゃないって。自分の顔の高さだよ。
井原は俺より身長低いんだから。」
彼は168cmくらいだった。
「よし!じゃあもう一回いくぞ。俺の顔狙うなよ。いくぞ!イチッ!」
『デシっ!!』
・・・やはり私を狙ってきた。
「だから!俺の顔を狙うんじゃないの!まずは自分の体を基準に
するんだから自分の顔の位置を狙うの。分かった!?」
『デシ。でも前に人がいるとその人の顔を狙いたくなるっス。』
どんな性格だ。
「分かった。じゃあ俺は君の前には立たない。少し横からやるから
それでいいか?」
『デシっ!』
ここまで所要1時間かかった。
1時間で2種目しか終わらないなんて・・・。
一体いつになったら基本全部終えるのだろう。
長い旅の予感がした・・・。
次回は
『vol.2 井原 道場でナンパする』
編をお送りします